畦地梅太郎さん

今回は、版画家の畦地梅太郎(1902-1999)さんについて、

超個人的な作品の感想等を含め、まとめてみたい。

 

畦地梅太郎さんは1902年愛媛県に生まれ、16歳で上京した。

20歳の時に画家を目指して勉強をし、

24歳からは版画家として活動を開始した。

その後は、1956年 第4回スイス・ルガノ国際版画ビエンナーレに招待されたり、

国内外で高く評価される作家となった(※1)。

 

 

私が畦地梅太郎さんの作品と出会ったのは、

アウトドアショップのモンベルで、

「白い山男」のTシャツを見た時だ。

 

後から考えてみると、以前から雑誌の表紙などで目にしていたのだが、

はっきりとこの絵はなんだろうと認識したのは、

このモンベルのTシャツだった。

 

 

なんだか人の様な、違う生き物の様な、

可愛い・・・?いや、可愛くはないな・・・。

不思議な絵だな・・・、

そういえば最近よく見るような・・・、

流行っているのかな?

そんな風に思った事を覚えている。

 

お店を離れてからも、そのTシャツの絵が

ずっと頭に残っていた。

 

 

その後、ふとしたきっかけで、

東京の町田で展覧会(終了しています)が開催されている事を知った。

軽い気持ちで、なんとなく見たいなと思い、行ってみた。

 

そこでは初期から晩年まで、たくさんの作品を見る事ができた。

 

初期の作品は、山の風景や抽象画だった。

そこからは、絵画と違う版画の魅力や、

作家独自の温かみのある表現を感じた。

見ていてとても心地良かった。

 

途中「山男」の作品になってからは圧巻だった。

まず数に圧倒された。

そして量は多いのだけど、

一つ一つの作品はもちろん違って、

でも統一感があって・・・、

最初の感想はすごいなの一言。

 

量もすごいけど、

作品を通して伝わってくる熱量がものすごかったのだ。

 

私が言うのは大変おこがましいのだけれど、

本当に作品と向き合っているというか・・・。

それぞれの作品から緊張感みたいなものも伝わってくるし、

丁寧に真剣に大切に、一つ一つの作品を作ってきた人なんだなと、

展示を見て感じた。

 

また、見ていると、この作品が特に好きだなというものがあって、

自分はなんでこの作品が好きなんだろうと考えたりするのも楽しかった。

 

 

展覧会の後、同じ町田市にある「あとりえ・う」さんに寄って、

更にたくさんの作品を見させていただいた。

美術館に飾られる様な作品があったり、

ポストカード等のグッズもあったり、

どれも魅力的で、すっかり畦地梅太郎さんのファンになった。

もう虜だ。

 

 

こうなると止まらず・・・、

愛媛県宇和島市「畦地梅太郎記念美術館」があることを知り、

行ってみる事とした(2019年 しましま展)。

 

松山から電車と徒歩で向かったその美術館は、

川の近くに建てられた、木の造りが印象的なとても綺麗な施設だった。

 

そこでも、たくさんの作品に出会う事ができた。

また、アトリエが再現されていたり、ミュージアムショップもあり、

畦地梅太郎さんが生まれた場所に居るという実感も含め、

ファンとしてはたまらない場所だった。

 

しかも作品を見たあとは、

隣接されている道の駅で美味しいものが買える。

最高!!

心が大きく満たされたのを覚えている。

 

 

 

ここからはなぜ、畦地梅太郎さんの作品を

ここまで好きになったのだろうと考えてみる。

三つ挙げてみる。

 

まず一つ目は、

生き物が全て同じテイストで表現されているから。

フラットな感じが見ていて心地良いのだと思う。

 

生き物、全てに愛情を持っている事が伝わるというか・・・。

 

 

二つ目は、作品の中の人が、

人では無い、他の生き物に感じられること。

 

いや、「生き物」というか・・・、

一つの「命」っていう感じ・・・?

人っていうカテゴリには収まりきらない、

もっと大きな枠組みとしての、

なんなら宇宙的な「命」みたいな存在・・・。

(ああ・・・語彙力・・・💦)

 

それに大きく惹きつけられている気がする。

 

 

そして三つ目は、作品からあたたかさだけではなく、

孤独が感じられること。

 

あたたかいのだけれど、どの作品にも寂しさがあって・・・。

そこから奥深さを感じる事で、より作品を好きになった気がする。

色味もあるのかな・・・。

 

「動」より「静」を感じる作品。

 

 

だから好きになったのかなぁ・・・。

(あくまで私一個人の感想です💦)

 

 

色々と、まとまらなくなってしまった・・・。

 

 

 

本当に大好きな作家さんです。

とにかく見飽きない、ずっと見ていられる作品だと思います。

 

 

いつか一つ作品を買って、毎日何度も見たい、

そう思います。

 

 

畦地梅太郎さんの作品に出会えて本当に良かった。

 

 

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※1↓こちらのHPを参考にさせていただきました。

畦地梅太郎記念美術館・井関邦三郎記念館 -

宇和島市ホームページ | 四国・愛媛 伊達十万石の城下町)

 

 

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この文を作成するにあって、

以下のサイトを参照させていただきました(2023/4/16)。

町田市立国際版画美術館

宇和島市ホームページ

株式会社モンベル

あとりえ・う on the web